12・22のまるちぃご乱心
「おーい、マルチー。買い物いくぞー」
「だめですー。今忙しいんですぅ」
「なにやってんだ…げ。競馬新聞チェックかよ」
「はい♪ 明日は有馬記念ですよー」
「有馬記念ですよーってお前、ロボットで競馬やってるのはマルチぐらいのもんだろ」
「んーーー。最後の詰めで迷ってるですよねー。浩之さんはどう思います?」
「シカトしやがった…まあいい。そうだな…順調に考えれば当然オペラオーからだよな。相手も一番手はドトウ、トップロード」
「……」
「注意するのはテイエムオーシャンの一発ぐらいだな。となると、3点+1点で勝負するのがセオリーだろう」
「きいいいいー!」
「ぐはっ。マルチがキレた」
「そんなのがセオリーなもんですかっ! いいですかぁ浩之さん。オペラオーが骨折して、ドトウが落馬、トップロードが落雷、テイエムオーシャンが地震か火事ってことも考えられるでしょうーーー??」
「ムチャムチャだなおい」
「その昔、コーチは言いましたー」
「コーチって誰だ」
「ああコーチ…コーチは体を病んでらしたんですね…」
「いいかマルチ…お前はまだまだこれから強くなる…いや強くならなきゃいけない」
「コーチ、コーチ!」
「いいか…最後にひとつだけ言わせてくれ」
「…はい…」
「…エースを…狙え」
「コーチー!!!」
「……おまえ、いつまで一人芝居やってるんだ」
「まあそれはともかくです、明日の馬券、わたしは決めましたよー」
「ん。結局どうするんだ」
「ロボットらしく複勝1点・メイショウドトウ」
「ずいぶんセコいオチだな。おい」