俺たちは抱きしめあいながら余韻を味わい、休んでいる。
やがてみちるが話しかけてくる。
「んに……ありがとね、国崎往人。気持ちを確かめ合うことが出来て嬉しかったよ」
「気持ちだけじゃない。俺たちは命を確かめ合ったんだ」
そうだ。俺たちは確かに今、生命をぶつけ合った。
「ん……でもみちるには命なんて……」
「お前の体、とっても温かかったぞ。それに」
言いながら俺はみちるのムネに耳をあてる。
「とくとくって聞こえるぞ。お前の命の音だ。ずっとドキドキを感じていたんだろう?」
「うん、そっか。今は…今だけでもみちるは生きていたんだね。……嬉しい…うくっ、ひくっ、嬉しい…よ」
俺は感極まって泣き出したみちるをずっと優しく抱きしめつづける。


そのしばらく後、みちるの中には新しい命が誕生していた。信じられなかったが嬉しかった。
「みちる、身体を大事にしろよ。2人分なんだからな」
「でもどうして…みちるがここにいられるのは、美凪にとってみちるがどうしても必要な間だけだったはずなのに」
「お前は今は俺の居場所なんだ。突然いなくなったら俺が泣くぞ」
「にゃはは。国崎往人は泣き虫なのかーっ」
「俺だけじゃない、お腹の子にとっても、な。」
「うん、そうだね。この子をみちるみたいにはしたくないから……せめて……」
「家族にとっちゃお互いが大切な居場所だろ。俺達の絆が消えない限り、一緒にいられる……そう思う」
「うんっ、国崎往人……これからずーっとよろしくね」
「ああ、『国崎』みちる、よろしくな」