「今なんつったっ…おい!」

日も暮れかけた繁華街。周りの数人のひそひそ声をかき消して、よく通る声が響く。
俺のよく知ってる声だ。
人の輪の中心には線の細い少女が一人、制服姿の警官二人を射殺さんばかりに睨みつけている。

「こんなもん、って事はねぇだろ!取り消しやがれ!」
「落ち着きなさい。許可を取ってないのは事実なんだろ。ほら、話は後で聞くから、おとなしく…」
「!気安く触るんじゃ──」

警官の一人が、イビルさんに手を伸ばす。
…やばい、と思ったときには、俺は前に進み出て彼女の手首を捕まえていた。…と。

「っ熱…!」

俺は思わず呻き、弾かれるように手を離す。
彼女の手は文字通り、焼けるように熱かった。一瞬、じゅう、と嫌な音が聞こえた気がする。
…これをぶつける気だったのか、この人は…?

「!…お前、エビルの…?」

こちらを見て、その場の全員が一様に怪訝な表情を浮かべる。
俺はとりあえず、痛む右手をさすりながら…なんとか苦笑してみせた。

(つづくかも)