瑞穂「え?え〜と.........香奈子ちゃんの好きな所でいいよ。」
 そう言いながら瑞穂の目が香奈子でないある一点を見ている事に香奈子は気付いた。
 言いたいことを言わないのはこの子の悪い癖だと思う。だが、同時に自分の事より相手を優先させる瑞穂らしいとも思った。
香奈子「........そうね、観覧車なんてどう?」
 だからこういう風にこちらから話を振ってあげる。すると瑞穂は..........
瑞穂「観覧車!?ホントに!」
 ほら、こんなに嬉しそうな顔をする。
香奈子『単純なんだから。』
 瑞穂はすぐにでも乗りたいらしく香奈子の腕を引っ張る。
瑞穂「行こ、香奈子ちゃん。」
香奈子「はいはい。」
 だが、時々はっとさせられる時もある。
瑞穂「ありがとう、香奈子ちゃん♪」
 瑞穂は観覧車に向かいながらそう言った。
香奈子『..........見抜かれてたかな?』
 そもそもあの悪夢の時、あそこまで瑞穂が頑張るとは思ってもみなかった。そしてその後、香奈子が立ち直るまでずっと一緒に居てくれたのも瑞穂だ。自身もあんなに辛い目にあったというのに。
香奈子『もしかしたら.........瑞穂は私よりずっと強いのかもね。』
瑞穂「香奈子ちゃん、こっちだよ!」
 その笑顔からは何も読みとれない。やっぱり何も考えてないのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
 だが、そんな事はどうでもいい事なのだろう。
香奈子『今は、一緒に楽しい時間を過ごそう。こんなはしゃいだ瑞穂なんて長瀬君だって
    そうは見れないんだろうから。』