人気の少ないベンチに座ると二人は一息ついた。
 瑞穂は歩いている間中沈んだ顔をし続けていた。
香奈子「............瑞穂?」
瑞穂「..........ごめんね、香奈子ちゃん。私が遊園地行きたいなんて言ったばっかりに。」
 瑞穂が気にしているのは香奈子の頬の傷の事だった。
瑞穂「香奈子ちゃん........元気になったから..........私嬉しくて..........前みたいに一緒に遊びた
   くて.............でも...........」
 そう言いながらメガネをずらして目をこする。
 香奈子はもう何度も瑞穂が泣くのを見てきたが、だからといって慣れるというのも無理な話だ。
 だから香奈子はこんな時、決まってどうでも良いような顔をするのだ。
香奈子「何言ってるの、受けた傷は瑞穂だって一緒でしょ?」
瑞穂「!!!」
香奈子「お互いあれだけロクでもない目に遭ってるのに、何を今更こんな事で。」
瑞穂「香奈子ちゃん...........」
香奈子「大体瑞穂は何の為にここに来たの?そんな顔するため?」
瑞穂「..........そ、それは........」
 下を向いてもじもじする瑞穂。
香奈子「言いたいことははっきり言わないと相手には伝わらないわよ?」
瑞穂「.........香奈子ちゃん元気になったから.......もっと元気になって欲しくて........」
 香奈子は溜息をつく。
香奈子「だったら笑って。その方が私も嬉しいし、ね?」
瑞穂「..........うん!」
 瑞穂は目をこすりながら顔を上げて笑顔を作る。