葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round57!!
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0736レン萌えだよもん(1/3)
01/12/04 16:42ID:1AskVOs/マルチは切なげにため息をついた。
「あと3時間…」
その言葉は、言葉以上に重いものだった。
来栖川研究所から脱走したマルチは、指折り自分の起動時間の残りを数える。
電源から離れたマルチ。それはコンセントを抜いた扇風機のように、少しずつ弱まり、そしていずれは止まりゆく。
停止を待つ者の心、そして廃棄に確実に向かっているという状況が、確実にマルチを追い詰めていった。
「浩之さん…」
マルチはとなりで寝ている浩之の顔を見つめた。
浩之は何も知らない。自分があと数時間で止まってしまうということを。浩之がそれを知ってしまえば、きっとあと残された時間は、泣くだけの時間になってしまうだろう。
それが、マルチには耐えられなかった。
「わたしは…」
マルチはふと、自分がなんのために生まれてきたのか、なんのためにここにいるのか考えてみた。
「わたしは、浩之さんのために…」
と口で言いかけて、考えた。
本当に、そうだろうか??
浩之のためになるだけであれば、どうして自分の廃棄と量産が決定したときに脱走などしたのだろうか。きちんと生産化されれば、それこそ浩之にずっと長く使ってもらえるというのに。
「けっきょくは、自分のためなんだよね…」
マルチは自虐的に笑う。人のために何かしていると思うこと自体、けっきょく自分のため、自分がしたいことをしているだけなんだということを。
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