ずっと怯えていた。
いつ迎えが来るともわからない日々、いつも不安だった。
どうせ別れるなら…好きにならない方がいい。
自分の気持ちを偽って、心を遠ざけて、すれ違いの毎日。
とてもとても弱かった。

しかし彼女は気づく。
誕生日にさえプレゼントを贈れない。
苦しんでいるとき、そばにいてやることすらできない。
こんな暮らしになんの意味があるのだろう?

…もう手遅れかもしれない。
傷つけつづけてきた十年。
どれだけ謝っても許してもらえないかもしれない。

「でもな…もう決めたんや、観鈴。
あんたをうちの子にする。神尾の娘にする。
それで毎日楽しく暮らしていこ。な?
実の親やないとか、そんなん関係あらへん。一緒にいたいだけや。
……うち…やっぱりあんたのことが好きやねん…」

――1000年という月日、誰も辿り着けなかったゴールを目指して――

『未完の母、神尾晴子。今より入場します!!』