名雪「祐一ー。今日は一緒に帰れないよー。」
祐一「ん・・・。まぁ、ひとりで商店街にでもいくよ。」
名雪「わかったよ。また後でね、祐一。」
祐一「あぁ。」
俺は部活のある名雪を残して、暇をつぶすために商店街へ向かった。
俺の知ってる場所は限られていて、そもそも家に帰っても特にやること
などありはしないのだ。勉強というものもあるのだろうが、その時間ですら
長い人生に意味があるように思えないことがよくある。
気楽な人間なのだ。俺は。
そんな俺には街できままにブラブラするのが、生きていることを実感
できる唯一の方法なのだと思う。
・・・実際は違うのかもしれないけど。
祐一「むぅ。あのゲームは詐欺だ。あんなもんをクリアできるわけないだろうが!」
俺はゲームセンターで新しいゲームに大金をつぎ込んだ挙句、スッカラカン
にされてしまった。
祐一「ゲームでこんなに金をすられるとは・・・。」
・・・あの日以来だな。しかし、俺はあのあと、もっと大事なものをなくしたような
気がしていた。
でも、わからない。身近にあるはずのに、つかめない何かに。