「ん? 何だこりゃ?」
 鞄の底にある、大学ノートより二回り小さいメモ帳が耕一の目に留まった。
「こんなの借りたっけ・・・?」
 耕一はその手帳を開いた。
 そこには・・・。


   某月某日

 ゼミの飲み会でまたあのクソ教授に身体を触られた。
 どうしてくれよう?
 セクハラ行為があったと学校当局に密告してあのクソ野郎(以下略)


 翌日。
「あっ。もう返してくれるんだ」
「あ、ああ。ありがとう。おかげで試験はいけそうだよ」
「一緒に進級しようね。柏木クン」
「も、勿論だよ」

 偽善というベールに隠された『鬼』
 理知的な人間に隠された狂気。
 彼女もまた、千鶴さんと同様の『女』だった。