>>184の続きです。
 ぽす。
 そんな懸念をよそに、必殺の肘鉄はあっさりと相手の脇腹に決まった。
でも感触が変だ。受け止められたような。というよりは止まってる。
「――!?」
「おいおいおい、いきなりごあいさつだな」
 そりゃあこっちの台詞だっ、て言いかけたけど、喉が詰まった。
 この少し間延びして、助平そうだけど頼りがいのある声……。
「おーい、どーしたー? あーずーさー」
 いきなり耳元でささやくな、この馬鹿。
 何か少し鼓動が早くなった。違う、違うぞ、これはこの痴漢的変態的行為のせいだ。
「ば、ばかっ! 何やってんだ道の真ん中で! 早く離せ!」
 あわててふりほどこうとする。けれど、
「大丈夫だって。どーせどっかのバカップルだって、そう思われてるからよ」
 バ……っ!
 そんなことを言われて、今度は耳まで熱くなった。
いきなりなんて恥ずかしいことを言うんだ、このアホンダラ。オタンコナス、オタンチン!
「ばか! お、おまえとそんな風に見られてるなんて恥ずかしくて死にそうだっ」
 はたから見てもきっと恥ずいんだろう。ああ、穴があったら身投げしたい。
「そりゃあどっちの意味でかなぁ? ん?」
 重ねてそんなことまで訊いてきやがった。こんなに底意地悪かったか? こいつは。