>>721
幸いにして浩之以外のメンバーは見当たらなかった。
「な、なんであたしが…」
『そんな、誤解される言い方したら…』
そうじゃない、と言いたかったが緊張の言葉にならなかった。
「ま、ムリには誘わないけどさ、ヒマならどうかな? と思ってさ」
「ご、ごめんなさいっ」
深く頭を下げて一目散に走り去る。
「ヒロー、何やってんのよ? こっちだってば」
「あ、あぁ…」
志保に声をかけられて振り返る。

「吉井さん…やったな? さっきの子」
カラオケルームでは志保の独壇場だった。
1人悦に入ってる志保を無視していいんちょが浩之に問いただす。
「あぁ、1人だけだったな」
「何してたん?」
「ヒマそうにしてたから声かけたら…ごめんなさいって言われた」
わざと涙声で返答する。
「アンタ、速攻でフラれたんかい」
「うるせっ」
そこまで話したところで、1曲歌い終わる。
「ま、私と一緒でってワケにもイカンやろ。そないに気にしてへんけどな」
「……」