「お、お父さん。」
 次の日、予定通り江藤家を訪れた娘の婚約者は、ガチガチに緊張していた。
「ぼ、僕に、娘の、ゆ、結かにみそしれ。」
 おまけに言葉はロレツがまわっていない、
結花がフォローしようと、肩を揺する
「(しっかりしてよ、もう。)」
「(だ、ダメだ、う、上手く言えねぇ。帰っていいか?)」
「(ば、バカ、何言ってるの。)」
 一方の父親は正反対に悠然と構えていた・・・ように見えるのは
娘の勝手な判断だったが、とにもかくにも、娘のフィアンセはだらしなかった、
泰久は余裕そうに
「そんなんじゃ一生尻にひかれるな。」
「あぁ、っとその。」
 そこで、はっと息を呑んだ、覚悟を決めたように両手をついて
「彼女を僕に下さい。」
「・・・。」
「決して不幸にはしません、一生かけて幸せにして見せます。だから・・・。」
「・・・・・・店に行こうか。」
 泰久はすっくと立ち上がり、娘の婚約者に促す
「え?」
「結花はここにいなさい。」
「お父さん・・・。」