「う〜、おなかすいた……」
会場外で一人、詠美は空を眺めながら愚痴っていた。
「おべんと持ってくるのも忘れたし、それに……」
由宇に分けてもらおうと思ったものの、彼女と和樹がなんか楽しそうだったので近づけずに。
「ふみゅ〜ん……」
「詠美ちゃん」
「わっ! み、南さんっ」
「よかったら一緒に食べましょうか。隣いいですか?」
「あ……、……ふ、ふんっ、しょうがないからいいわよ」
「ありがとうございます」
顔を真っ赤にしながらそっぽむく詠美の横に、そっと南は腰掛けて。
なんか施しを受けるような釈然としない気持ちになりながら、それでも空腹には勝てず。
かさかさかさ。
「この特製サンドイッチ、初めて作ったんですけど味見してくれませんか?」
「人を勝手に毒味係にするんじゃないわよぉっ!」
「うふふ、一緒に毒味しましょうね」
「あ、あんたはぁ………こうなったら全部食べてやるんだからぁ!」
「ふふっ……」
モヤモヤもなにも全部忘れて、詠美は南の弁当を、ただひたすらがっつきまくった。

「んうっ! んが、んんっ……!」
「あらあら……はい、お茶飲んで流してくださいね」