「セリオさんの誕生日って、いつ?」
「誕生日…ですか」
「そう、この世界に生まれてきた日」
「はい。HMX-13型の生産ラインが確立されたのは…」
「あー…そうじゃなくて。
 僕の目の前にいるセリオさんが生まれたのはいつ? ってこと」
「それは頭脳データが完成した日時、ということでしょうか」
「うーん…それでもいいのかもしれないけど、
 体を持って、今と同じ状態で目を覚ましたときかな」
「それでしたら――です」
「じゃあ、その日がセリオさんの誕生日だね」
「その定義で言うならば、そうですね」
「お祝いしなくちゃ、ね」
「…お祝い、ですか?」

この世界には、彼女と同じ姿で、彼女と同じ声を持つ、たくさんの存在がある。
でも、人は過ごした時間によって少しずつ変わるものだ。
だから、僕の目の前にいる彼女は、この世にたった一人の…かけがえのない人。
僕はそう信じてる。