セリオ起動中…#3 3
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0351名無しさんだよもん
01/12/13 11:08ID:E3A5h7X8があった。アイボリーに小さなスミレをあしらったこのカップは彼女によく似合うと思っ
た。長瀬さんの紹介があったとはいえ高校生には高い買い物でバイト代から少々足
を出たが大晦日の棚卸しを手伝うことでチャラにしてもらえた。店明かりを落とし
たLeafにセリオさんはまだ居た、助かった。店に入るとちょうど片づけを終えたとこ
ろらしかった。エプロンを手にカウンターから出て来ると驚いた様子もなく「お茶をご用意
します」と言って再び戻っていった。カウンターに腰を落ち付けると「残り物ですが」と
紅茶と一緒に自家製のマフィンが出された。「メリークリスマス!」プレゼントを文字通り突き出す
と一瞬間を置きながらも「ありがとうございますOOさん」と受け取ってくれた。
包みからカップを取り出し目の高さで色んな角度から眺めた後「良いお品です」とも
う一度お礼を言った。カウンターの上にある飾り棚に置くと元からそこに在ったように
ぴったり収まった。セリオさんもそう思うらしく暫く眺めた後振り向くとにっこりと
笑った。たくさんの話をした、学校や友人の事、どの話題にもセリオさんは相槌を打っ
てくれたが、ただ彼女の眼の事だけは首を横に振った。「これで良かったんです」と
彼女は言う。セリオさんには姉妹が居るそうだ。マスターと死に別れた時、原因不明の睡眠
状態になり今も眠り続けるその姉の事を話す時、セリオさんはとても優しい顔になっ
た。「こうしていればいつか姉さんの気持ちが分かるかも知れません」そう言うと
カウンターをくぐり抜けてプレーヤーの側に立った。私も席を立ち覗き込むとスピーカーからあ
の時の音楽が流れ出した。セリオさんが手を出した、私は首を横に振ってそっと押し返
した。そう、いつだって彼女は手を差し伸べてくれた。あれから10年、私の身長も後
2・3年も経てば追い越すだろう、そう思うと自然に身体が動いた。背筋を伸ばし映画
でよく見るあのポーズを取るとセリオさんもおかしそうにエプロンの裾をつまんでゆっく
りと膝を曲げた。差し伸べる手がそっと重なる。
イヴの夜、揺れるように踊る二人。雪降る街に響くのは・・・・・・ メリークリスマス
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