<250で閃いたヘボSS
セリオが去ってどれぐらい経つだろう?
それからの私と言えばそりゃもう順調だ、あれほど嫌がっていた
見合いも慣れれば楽しいもので5回目の席で出会った女性とも
上手くいっている、今では「結婚を前提としたお付き合い」という
間柄だ、今日も一緒にクリスマスプレゼントを買いに来たのは良いがどう
もこういう女向けの店は居心地が悪いので一足先に店を出たとい
う次第だ。ガラス張りの店内に目を向ける。彼女と楽しそうに話す
店員は、時折値踏みするような視線を私に向けた。「あの女の目に
私はどう映るんだろう?」ほんの1年前まで無かった感情、ただそ
の日をセリオと過ごす日々には必要なかった感情、そう、今の私はす
べて順調だ・・・機械に恋するなど、まともな人間のすることではない・・・
食事を終えた後、二人で繁華街を歩く、しのぎを削りあう居酒屋の
呼び込み達、その中に「彼女」がいた。たとえあれほど美しかった髪が
油に薄汚れていても、かつてハムレットを諳んじた美声が生中100円を
訴えていても、私には分かった、それがかつて共に過ごしたセリオだと。
私はそこから逃げ去った。