わたしはエクストリームでは一番になれた。でも、わたしが好きな
人の一番にはなれなかった。
 試合の相手の杜若という人――、元々この大会には規格外の連中
が多いけれど、その中でも一際無気味な感じがする。勝てるだろう
か、勝てなかったら――そんな思いが歩みを止めさせる。
『無敵の女王』の看板が落ちたわたしでも、あの子達は慕ってくれ
るだろうか……。
 何を弱気な! 必死に自分を叱咤する。それに一番でなくても――
彼が応援してくれるではないか。その胸の中の思いが、力をくれる。
 試合場に出る。まぶしいスポットライトと歓声が響き渡る頃には、
わたしはいつもの自分に戻っていた。
 いつかは牙も折れ、崩れ落ちる日も来るかもしれない。

『試合開始!』

 ――だが、少なくとも今日ではない。わたしには『無敵の声援』
がついているのだから。

(つづく……かも)
 長々と失礼しました。