さらさら…さらさら…
 初夏の若葉が柔らかい風に揺れる。
 まだ汗ばむほどの陽気ではないが、木陰の芝生が心地好いのは確かだ。
 まあ、瞼に時折まぎれこむ木漏れ日が少し眩しかったりもするが。
 なにより頭の下の柔らかい感覚と、髪を撫でられるくすぐったさがなにより眠気を誘うのだったが。
「浩平…寝にくくはないですか…?」
「ああ、全く持って問題は無いぞ」
「そう」
 というわけで、不肖この折原浩平、茜の膝枕に頭を埋めると言う非常にレアな体験をしてる訳であって。
 ただ問題と言えば、今が昼休みの最中で、ここが人気の少ない裏庭とはいえ立派に学校の構内であることが、多少の問題を孕んでいないとはいえない気もして。
 まあ、その、気持ちよさに身を委ねながらもどこかしら不穏な空気を感じなくもない、そんな、傍から見れば至って平和な午後の風景だったのだ。

 ここまでなら。

つづく。