いつもの帰り道……。
「浩平、ちょっと山葉堂に寄ってもいいですか?」
「別にいいけど、どうしてだ?」
「今日、ワッフルに秋の限定メニューが追加されるそうです」
「わかった、じゃあ急ぐか」
「はい」
 そう言って駆け出す。茜のゆっくりなペースに合わせ走ること十分、山葉堂に到着する。相変
 わらず凄い行列が出来ていた。オレたちは列に並びながら新作のチェックをする。
「えーっと、マロンにポテト、パンプキンってのもあるぞ」
「ひとつずつ買いましょう」
「2個ずつじゃないのか?」
「一人では3つも食べられません……」
 結局、一人2個ずつということで新作の3つと茜の定番のアレを買うことになった。ワッフルの
 箱を抱え、例の公園へと落ち着く。そして早速、戦利品を食べることにする。まずは無難にポ
 テトから行くか。オレは箱からワッフルを取り出し、食べ始める。
「一人で食べるのはダメです……」
 オレがワッフルを食べていると唐突に茜が言う。
「へ……?」
 何のことだ? そう言うより早く、茜がオレに顔を近づける。そうしてオレがくわえている
 ワッフルの端に口を付けた。
「おわっ……」
 あまりの唐突な茜の行動に、くわえていたワッフルをはなしてしまう。案の定ワッフルは
 地面に落ちてしまった。
「浩平……食べ物を粗末にするのはいけません」
「それはそうだが、人が食べてる最中に刺激的なことはしないで欲しいぞ」
「あ……」
 ようやく自分の行動に気付いたのだろう、真っ赤になり、うつむきながら小声で茜が言う。
「……すみません」
「こうして二つに分けとくから、ここから取って食べてくれ」
 あーびっくりしたー。それにしても……普段から茜にこれくらいの積極性があればなあ。