>>883

 普通の人間になって、いわきりたんはせみまるを訪ねました。
せみまるはたいそう驚きましたが、もともと争いを好まなかった
せみまるは、いわきりたんを受け入れ、坂神家でいっしょに
暮らすことになりました。
 ですが、坂神家にはたかこも居ます。せみまるはいわきりたんにも
愛情を注いでくれましたが、たかこに恋をしていたので、あくまで
その愛情は妹に対するもののようなものでした。
 今でこそ『妹に対する愛情』といえば、萌え対象の究極の形の
ひとつとして十分な愛情を注いでもらってるような気がしますが、
このお話は童話なので、そういう意味ではありません。
 そんなある日、いわきりたんは、せみまるがたかこに生命を
救われたことが原因で恋をしていると知ります。
 いわきりたんは、せみまるの誤解を解き、真実を教えれば
自分に恋してくれると考えます。
 いわきりたんはスケッチブックを用意して、『〜なの』と、
かわいく真実を教えてみました。ですが、せみまるは信じて
くれません。今はともかく、生命を救われた当時のふたりは
敵同士だったのですから。
 もしかしたら、『なの』がいけなかったのかもしれません。
2、3年前ならともかく、今ならとらハでリリカルを連想しますから。
はて、なんのことだろう。
 そうこうするうちに、とうとういわきりたんが恐れていた日が
やってきました。せみまるがたかこと結婚してしまうのです。
こうなると、好きな男と永遠の愛を誓えなかったいわきりたんは、
海の泡となって消えるしかありません。
 しかし、いわきりたんにはどうすることも出来ません。