>>880

 さて、海に戻ったいわきりたん。なぜか、せみまるのことを
考えると、胸がどきどきします。さきほどの接吻のせいでしょうか。
初めて触れた唇のぬくもりを忘れない I still Love you〜♪(ホワルバ)
…ではなく。とにかく、いわきりたんにとっては宿敵だったはずの
せみまるのことが、今はとっても気になってしまうのでした。
 思い余ったいわきりたんは、れーこ女医のところに相談に
行きました。どうにかして、せみまると幸せになる方法は
ないだろうかと。
 れーこ女医は言います。水戰試挑躰の肉体を捨てれば、
せみまると戦う理由がなくなる。そうなれば、せみまると
結ばれる可能性も出てくるだろう、と。
 そして、れーこ女医は見るからに怪しげな薬を取り出します。
どうやら、その薬を飲めば、水戰試挑躰の肉体を捨て、
普通の人間になってしまうようです。
 さっそくその薬を飲もうとするいわきりたん。ところが、
れーこ女医はそれを押しとどめ、その薬の副作用について
話をしてきました。薬を飲むと、水戰試挑躰の能力を完全に
失ってしまい、元に戻れないこと。声を失ってしまうこと。
好きな男と永遠の愛を誓えなかったら、海の泡になって消えて
しまうこと。なにげに、れーこ女医はインフォームド・
コンセントをちゃんとする人なのでした。
 それを聞いても、いわきりたんの決意は変わりません。
それでもかまわない、と答えるいわきりたんに対し、やれやれと
首をすくめるれーこ女医。
 いわきりたんは意を決して薬を飲みました。まるで火の玉を
飲みこんだかのように灼ける喉。それと引き換えにして、
いわきりたんは普通の人間の体を手に入れたのでした。