古河ベーカリーの攻防戦が続く中
機関銃の火薬の破裂音が消えて、撃鉄が空を叩く音だけが鳴る。
実弾が尽きた。
うつ伏せのまま、残りの銃弾を探そうと空薬莢が乗っかったパン用のバスケットの中を覗き込んだ。
ハンドガンと古河ベーカリー特製の焼きそばパンがひとつずつしか残っていなかった。
もう終わりか…
バスケットからハンドガンを取り出し、右手にしっかり持つ。
パンを口にくわえる。───古河ベーカリー特製焼きそばパンはやきそばたっぷりだ───
頭に着弾しないように顎を引いてに最後に後ろの古河ベーカリーを見る
ガラスが割れていたり銃痕が有るが良い店だと思う
愛想が良い奥さん。不躾だけど腕の確かな職人。そして、本当に好きだった娘、渚。
一ヶ月間の記憶が頭を過ぎる。
これも走馬燈の一種かな
そう思うと思い掛けず笑ってしまった。砂埃が目にしみて涙が出てきた。
後は、残弾を気にせずハンドガンをぶっ放しながら敵に向かって走れば終わりだ。
でも、もし生きて帰れたら、くすねた焼きそばパンの代金を払おうと思った。