司令部のスクリーンは続々と青い軍勢に埋め尽くされつつあった。
 圧倒的戦力差をもって、着々と包囲されつつあるフィルス軍。
 机の上に足を投げ出した司令官は、紅茶を飲みつつこう切り出した。

「贔屓目に見積もって、戦力差は10倍、というところかな」
「それじゃあ全く勝ち目はない、と我が司令官は仰りたいわけだ」
「まあ、聞いてくれシェーンコップ。
この一戦、客観的に見ると、確かにわが軍の勝ち目は非常に薄いだろう」
「ほほう、薄い、と言うことはゼロではない、と」
「私はそう考えるね。瑠璃子軍側から見れば、この一戦など戦略的に
なんの価値も持たない。おそらく、決勝進出までを見越して、
戦力を温存する腹づもりだろう。そして、そこが狙い目なんだ」

「といいますと?」
「われわれはこの一戦がすべてだ。固定スレすら持たない我々は、
逆に言うと今回の戦闘でしかその萌え魂を発揮できないんだ。
持てる弾薬、熱き感想、SS、CG、コネ、持てる力をすべて
一点集中砲火でぶつけて突破をはかる。
 こんなの、作戦と呼べるほど上等なものじゃないんだが、
そんな単純な思考にこそ真理があるのさ」
「各自健闘を期待する、ということですかな」

「その通りだ。フィルスノーンは決して悪いゲームじゃない。
98時代の名作美少女RPGとして後世に語り継がれるべき作品なんだ。
プレイ時の新鮮な感情を呼び起こすことさえできれば、充分勝機はある」
「しかし提督、僕、思うんですが……」
「なんだいユリアン」
「フィルスノーン、やったことある人全然いないんじゃないかと」
「……」