>>509
こんな感じかな?

 名雪が突然、学校の「卒業する記念に、舞踏会へ出よっ」なんて言い出した。
 で、秋子さんの「了承」を経て、俺は(秋子さんが用意した)
タキシードなんぞを着て体育館前にいる訳だが……。
「お待たせ、祐一っ」
「おう、なゆ……」
 俺はニの句が告げなくなった。
 名雪の着る純白のパーティドレスは、ウェディングドレスになんとなく似ていて、
彼女の名前にある「雪」の1文字に相応しいイメージを俺に与えていた。
「どうしたの?」
「い、いや……似合うな、と思って」
 俺は思わずそう言っていた。正直、ドレス姿の名雪はとても綺麗だった。
「ふふっ、ありがとう。嬉しいよっ」
 名雪が俺に微笑みを見せる。柔らかく優しい、そして色気を感じさせる笑顔。
口唇に薄く塗られた口紅が妙に色っぽい。
 名雪が普段見せない大人の表情に、俺の心臓の鼓動が早まる。
「さっ、行こうよ」
「ああ、そうだな」
 名雪のいつもと違う態度に緊張する俺に、彼女が薄い手袋に包まれた
右手を差し出す。俺はその緊張を隠しながら手を取ってエスコートする
意思を示すと会場へ足を踏み出した。