夜中、俺はふと目が覚めた。
「寒い……」
 冬には連日雪が降るこの街も、ついこの前初雪を迎えた。道理で寒いはずだ。
「……?」
 窓の外のベランダに、ふと人の気配を感じる。
 カーテンを開けると、闇に沈む街。家々の屋根を薄く積もった雪が飾っている様が見える。
 その風景の中に、人影が見えた。長い髪にはんてんを着ている。まさか……。
「な、名雪……」
 窓を開けると、そこには俺が予想した通りの人が居た。
「あっ、祐一」
 名雪ははっきりと俺に言った。糸目にもなっていない。
 名雪がこんな時間に、寝惚けもせずに起きているなんて……。信じられん。
 何てことだ、天変地異の前触れか?
「祐一、ひどいこと言ってるよ〜」
「ぐはっ、声に出てたか……?」
「うん」
 目の前の少女にやんわりと非難された。この癖、直さないといけないなぁ……。
「それよりも名雪、こんな夜中に何やってるんだ?」
「今日は流星群が見られるんだよ」
 そう言えば、テレビとか新聞でやってたな……。
「で、それを見たいわけか」
「うんっ」
 名雪が笑顔を見せてそう言った。少しだけドキリとしてしまう。