252と253の間

違和感を感じながらも絆を深め合っていく二人。
 身体を重ね、お互いの想いを確認し、別れた恋人同士のままですが、ようやく男と女としての関係を構築します。
 しかし顕在化した「永遠の世界」はやはり現実世界から主人公の存在を奪い取りはじめます。
 同居していた由起子さんが、毎日通っていた学校の人間が主人公のことを忘れはじめ、その理由、過去にみずかと結んだ「永遠の盟約」を思い出したときには、
もう自分のことを覚えているのは長森はじめ、わずかな親しい人たちだけになっていました。シニカルに消えていく自分を見つめる主人公。
 しかし通学中、クラスで自分の前の席に座り、毎日ちょっかいを出していた七瀬に忘れ去られたとき、主人公はその後に待っている運命に耐え切れずに学校内に入ることを拒否します。
 唯一自分を世界に繋ぎ止める長森と共に、もう自分を覚えていない学校という空間から逃げ出し、二人で遊園地へ行こうと誘います(余談ですが、ここら辺の音楽の使い方が最高です)。
 しかし長森は拒否。「遊園地は休みの日にしようよ…」
 そしてチャイム。校内へ走っていく長森を見送り、主人公はその場を去ります。
 どこかに世界との繋がりが無いか町中を歩き回り結局、それは長森意外にありえないことに気づき、再び学校へ向かい、
長森を連れ出して何処かへ行こうとしますが、再会した長森は主人公を他人を見る目で素通りしていくのでした。
 もう何も自分をこの世界に繋ぎ止めるものが無いことを悟った主人公は長森との幸せな思い出を持って「永遠の世界」に旅立ち、そこで生きることを受け入れようとします。
 しかし運命は皮肉なことに永遠の世界に旅立とうと決意した主人公を長森と再会させます。
 交差点。
 他人のように黙ってすれ違う二人。
 しかし長森は後ろから主人公を抱きしめるのでした。

 捕まえたっ 離さない…

 以前プレゼントしたレコーダー付きのぬいぐるみに入った主人公の声を聞き、それで思い出したのでしょう。
 クラスの人間にでも主人公のことを尋ねたのかもしれません。主人公が世界から忘れ去られようとしていることを長森は悟っていました。
 消え去ろうとした主人公のために、ぬいぐるみに込められたメッセージ通り笑顔を作る長森に看取られて主人公は消えていきます。