居間で冷え切ったお茶を飲み終えた千鶴に二つの小さな人影が忍び寄った。
「姉さん・・・」
「お姉ちゃん」
 千鶴は力なく振り返り、弱々しい笑みを浮かべながら言った。
「楓・・・初音・・・起きてたの?」
「起こされたんです・・・」
「千鶴お姉ちゃん・・・梓お姉ちゃんと何かあったの?」
 千鶴はかぶりを振り、二人の妹に聞く。
「楓・・・初音・・・あなたたちは耕一さんの事、好き?」
「はい・・・」
「うん・・・わたしも耕一お兄ちゃんのこと、好きだよ」
 千鶴は頷き、
「さ、寝なさい。明日も早いから」
 二人の妹の頭に手を置きながら言った。
「おやすみなさい・・・」
「おやすみ、お姉ちゃん」
 初音は部屋に戻ったが、楓はそのまま千鶴の傍から離れない。
「楓・・・?」
「千鶴姉さん・・・私は柏木家の血を・・・」
「わかってるわ、楓。あなたも初音も受け入れざるを得ないのだから・・・」
「はい・・・。でも梓姉さんはそれを乗り越えて耕一さんと一緒に暮らせると思います」
「そうね」