未だ仕上がらぬ援護射撃を横に置き、入場を考えてみた。
でも、弥生さんの魅力を語るよりも冬弥の独白の方が目立ってしまって
やや(ややか?)駄目モード。331氏か、他の方に期待。スマソ。


「時間、ですわ」
 ちらりと腕時計に目をやると、彼女は言った。
 由綺は次の番組の収録のため、この場にはいない。
 英二さんもそっちについて行っているから、
 ここにいるのは俺と弥生さんの二人きりだ。
 そして俺も銀のリストウォッチに目をやり、頷く。
「由綺さんからのプレゼント、
 いつも身につけていらっしゃるんですね?」
 弥生さんの問いに俺は応えられない。
 由綺からのプレゼントとして弥生さんから、
 渡された銀のリストウォッチ。
 弥生さんと二人きりになったときに渡された、
 正確に時を刻み続ける機械。
 あのバレンタインの日、鈍感だった当時の俺は気付けなかったけれど、
 この懐中時計を俺に送ってくれたのは間違いなく弥生さんだった。
 由綺は、一晩に二つもプレゼントを用意できるような考え方をしない。
 僅かな時間で精一杯選んでくれたであろうあのチョコレートだけが、
 あれだけが由綺からのプレゼントだったはずだ。
 由綺の成功の為だけに俺と時間を過ごすと言い切った弥生さん。
 俺を愛してなんかいないと言った弥生さん。
 その彼女が決して表にせぬまま、僅かに俺に見せた不器用な好意の欠片。
 俺は、時計の送り主を由綺に確かめてはいない。
 けれど、この銀のリストウォッチは弥生さんからのプレゼント間違いなかった。
 返事を返さない俺を、弥生さんは僅かに首を傾けて見つめてくる。