「ずっと前から好きだったんだ……オレともう一度……付き合ってくれっ!」

「うん……いいよっ」

 折原浩平が「えいえんのせかい」から帰り着いたその日、彼は幼なじみの長森瑞佳に衆人監視の中で告白した。
 およそ1年の間、浩平の居ない寂しさと悲しさにひたすら耐え続けてきた瑞佳は、当然のように浩平の想いに応え、ふたりは再び付き合い出すこととなった。
 その日の授業が全て終わると、ふたりは浩平が消える前と同じように、世間話などに興じながら家路に着いていた。
 互いに話すことはいくらでもあった。浩平の存在しなかった1年間、一体どのような出来事があったのか、浩平が今までどこにいたかについて……。
 だが、これらのことを全て話し合うには、下校する間の時間はあまりにも短かった。ふたりはやがて浩平の家に辿り着いた。
「じゃあ、また明日な。瑞佳」
 しかし、瑞佳は浩平の家の前から離れようとはしない。瑞佳はゆっくりと口を開き、言葉を紡ぎ出した。
「浩平……、寄っていってもいいかな……?」
「え? あ、ああ。別に構わないけど……」
 一瞬、浩平は面食らったような顔をしながら答えた。そしてすぐに、瑞佳がなぜこのようなことを言い出したのか、その理由を尋ねる。
「明日も逢えるのに、いきなりどうしたんだ?」
 この問いに対する瑞佳の返答は実に単純なものだった。
「わたし、もっと浩平と一緒に居たいよ。だって、せっかく帰って来てくれたんだもん」
「……そうか、そうだな」
 浩平は瑞佳に対してというより、むしろ自分に言い聞かせるような感じで言った。そして瑞佳に向き直って、言葉を続けた。
「オレも同じだからな。まぁとにかく上がれよ、積もる話もあるしな」
 浩平の顔は赤くなっていた。夕日に照らされていたという理由だけでは決してなかった。