帰り道。
「詠美、どうしてさっきから黙ってるんだ?」
胸の中は不安でいぱいで、いい返事がみつかりません。
「ひょっとして、一人でいてさみしかったとか?」
「そ、そんなんじゃないわよ!」
ちゃん様は顔を真っ赤にしてうつむきます。
付き合いの長い和樹はすぐに図星だったことに気づきます。
「気分を害したお礼に、女帝のしたぼくめは、一つ望みをかなえたく存じますが、なにかおありでしょうか?」
ちゃん様はじっとポチの顔を見ました。
言おうか、言うまいか、盛大に悩んでいる様子です。
「えっとね・・・あのね。」
ついに決心したちゃん様は口を開きます。
「英単語で・・・・・・
 あるふぁべっと四つで・・・・・
 初めがKで終わりがUのやつ、
 やってほしい・・・。」
語尾は蚊の鳴いたような声になってしまいました。
初めがKで、終わりがU?
そんな単語あったか??
ポチは首をかしげましたが、すぐになんのことかわかりました。
「初めがKで終わりがUのは、やってあげれあいけど、終わりがSのことならやってあげれるぞ。」
えっ、
と顔をあげたちゃん様に。

ちゅっ。

「・・・・・・ふ、ふみゅーん。」

なんだか、幸せな一日でした。