銃声がやんだ。
音さえ吸い込むように、光が強くなっていたが-----そのためではない。
「彰ああああああああああ!!」
耕一の叫びが響き渡る。そして叫びの余韻の中、施設から梓達が駆けつけてくる。

 ひとつの勝負が、ついていた。

そのシルエットは、祝杯をあげるように高らかに右手を上げている。
左手を腰に当て、誇らしげに胸を張り、そして掲げるそれは-----

 「……彰」

-----彰、だった。
神奈は首を掴んで、軽がると持ち上げている。一方の彰は、無事なところなど見当たらない。

 「耕一…遅いじゃないか」
 「……済まん」
 「初音ちゃんのこと…頼むよ」
 「……ああ…任せておけ」

初音の死体のことなのか。
-----それとも、まさか。彰の記憶はもはや狂ってしまっているのか。
むしろそのほうが、幸せなのかもしれないが-----真実は最期までわからずじまいだった。

 ごきり

銃声すら掻き消す光の中で、全員がその音を聞いたという。
続いてひゅう、と擦れた吸気音のようなものが一回。

 祝杯は、砕かれた。