神奈の操る観鈴の顔が、こころの暗黒を映し出すように邪悪に染まる。
そして射し込む光を撥ね退けるように、輝く翼をばさりと大きくはばたかせた。

 そして光に背を向け、彼女は振り向く。
 視線の先に、一人の青年が立っていた。

 「…鬼飼いか。
  まずは、お主から-----死ぬか?」
 「いいや。
  死ぬのは、お前と-----僕だけで、いい」

彰は、光を背負い翼を広げる神奈の美しさに気を取られながらも、即座に理解した。
神奈は、あの光を嫌っている。
そしてそのために、彼女に逃げ場は-----天にも、地にも----無いのだろうと。

 射し込む光が、神奈の翼の輝きに打ち消される。
 しかしその輝きに抗うように、彰は赤い眼光を放っていた。

 互いの視線が、激しく火花を散らしていた。