そしてようやく倒れたHMのそばまでたどり着くと、七瀬の肩からずり落ちる
ようにして、HMの顔を覗き込んだ。
そのまま妙に落ち着いた声で、語りかけ始める。
「アンタ、さ……聞こえてる?」

返事は、ない。
しかし、目が動いたような気がしたから。
そのまま続けることにした。
「アンタさ、何かが自分に足りないって思うことは……立派な、ことなんだよ」

今度はきゅいん、と明らかに音がして、瞳孔が動いた。
「人間かどうかなんかより、自分がどうあるかのほうが、よっぽど大切じゃない?」
HMの駆動音が、空回りして鳴り響く。
「その辺の見極め間違えてさ。
 他人様に迷惑かけるのも疑問に思わなくなった時点で-----

 ズドン!!

 銃声。
 一撃。
 中枢部位が半壊していたHMは、完全に機能を停止した。

 -----アンタ、アタシたちの友達には、なれやしなかったんだよ」
そう言って晴香は、脱力した。
銃口から立ち昇る一筋の煙は、供養の線香のようでもあった。