AnnexCが勧告を受ける1年前頃に、ParadyneからMVLというDSL技術を使ってISDNを
素直に作り直したような製品が出た。
ADSLが20万とか30万円もした時代に、2万円程度という格安で。
当時はスプリッタがDSL普及の懸案で、Universal ADSLというG.liteの元になる
規格で何とかしようとしていたのだが、それもあっさり解決していた。
それはそれは素直な良い子だったのですが、ちょっと正直すぎた。王様は裸だと
言ってしまった。大人の事情なんか知らないよと。PPPoA、PPPoEは必要無いと。
キャリアはホールセールをする予定だったので、ビジネスモデルを無視したMVLは
ユーザーの都合を無視する人達によってメインストリームを干された。
それでもADSLではどうにもならないケースはあるしホールセールをしないキャリアも
沢山ある。なにより安い。ユーザーは電話局から離れた所にも住んでいる。
ADSLは寡占化と標準化による価格暴落で、超有名メーカーでも撤退を余儀なくされ
残ったメーカーも多機能化やVDSLなどで生き残ろうとしている中、ニーズを見極めて
自らの技術を生かした老舗Paradyneは、厳しい市場で堅実に立場を確立できた。

結局企業の都合はそのままに世界はDSL時代へと進んでいって、普及するにつれて
予想通り綻びが目立ち始める。ブリッジタップ外してみたり、自ら選んだビジネス
モデルに足を引っ張られて潰れたり、過去の失敗を覆い隠すために島国独自の規格を
でっち上げてドツボにはまってみたり。できるのは小手先の対応ばかり。
そして昨年、ReachDSL登場。より時代に合わせて改良したけど基本は同じ。
相変わらず我が道を行ってホールセールは無視。インターオペラビリティなど無い
のに、苦労して無駄を増やしてまで他社の尻拭いはしないよ。本来の顧客優先。
お蔵入りかと思われたAnnexC FBMを持ち出すしかない末期状態のITU標準採用勢を
尻目に、変わらぬ安定ぶり。
儲けの多い企業向け接続をやりたいがために、超強力な雑音でISDN以外の全てを
ぶち壊すAnnexHを投入する自己中企業の将来や如何に。

有名企業=自分の知ってる企業は正しいと思い込んでしまう人は、FUD戦略の餌食です。
この手の商品で価格を操作するのはメーカーではなくベンダーです。

護送船団に守られていない、自分の力で勝負しなければいけないメーカーは、自分だけ
の特徴を磨くか薄利多売で行くか。そしてReachDSLが生まれ、ADSLは安くなった。