手心というものがある。交友的礼儀というものがある。
               「批評家棄権」林達夫

 批評というのはどの分野でもむずかしい。友人知人の
作品や行為への批評に「手心」や「礼儀」の加わるのは
当然といえる。「正直な公平な批評が果たして批評家の
公平の結果であるかそれとも打算の結果であるかは」わ
からない。それは批評家「当人にとってさえ」わからな
いのだから厄介だ。