「さあ、あなたの願いを3つかなえましょう」

S氏の前に魔人が立っていた。
インド風の服にターバンを巻き、大量の飾りを体のいたるところにぶら下げでいる。
まるでアラジンの物語からそのまま飛び出してきたようだ。

S氏は、自分は比較的冷静なタイプであると思っていた。
だからと言うわけではないが、彼は冷静に、言った。

「・・・・で、何でヤカンなんだ?」

そう、ヤカンだった。
S氏がコーヒーでも入れようと火をかけたその時、大量の煙とともに魔人が現れたのだ。
ヤカンから。

「ふっふー」

魔人は偉そうに、その上自信満々に言った。

「魔人だからです」

「あっ、そう」

深く考えても意味はなさそうだったのでS氏はそれ以上考えるのを止めた。
魔人が、説明する。

「長く使われたものには精霊が宿るのです、えっへん。
 私もその精霊の一種なのですよ。えっへん」

「なるほどね」

S氏は納得した振りをした。

「と言うわけでさっそく1つ目の願いをどうぞ」

S氏はしばらくの間、腕を組み、目を閉じて黙っていた。

「何でもいいのか?」

問い掛けるS氏。

「構いませんよ」

答える魔人。

「それじゃあ・・・・・・」
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