難化したレーンコンディションに3選手とも苦しみ、塩試合の汚名
を着せられた準決勝第1。続く準決勝第2も塩試合かと思いきや、
番宣は「必見!終盤の三つ巴大接戦 」と謳っており、好勝負が担
保されている。公式戦では圧倒的に実力が劣る櫻井眞も、この試合
ではストライク女神。絶対女王とミス・パーフェクトと互角の戦い
を繰り広げるのである。ここで押さえておきたいのは、「終盤の」
という言葉。終盤に1人か2人かがトップを追い上げて縺れてくる、
あるいはトップが後半に崩れかけて縺れてくるという2通りの展開
を予想の候補として、頭の隅に置いておこう。そして予告映像では、
実際の投球順が松永→櫻井眞→名和のところを、櫻井眞を名和と入
れ替えてラストに持ってきて印象づけている。既に先週の段階でお
気付きの方もおられるかと思うが、予告映像には特徴的な要素が込
められている。松永と櫻井眞のシーンが終盤なのに対し、名和のシ
ーンだけが序盤なのだ。そして松永と櫻井眞のシーンでは、丸山プ
ロの「来たあー!」という大興奮の解説音声が聞こえるのである。
終盤に松永が会心の笑顔を見せたとなれば、松永はトップではなく
追い上げる立場だったと予想される。同じく終盤に櫻井眞が見せた
表情は喜びの表情と穏やかな微笑み。そこに切迫感は感じられない。
格上の2人との戦いで終盤この表情は、本人も予想だにしなかった
1位争いに食い込めたことへの喜び、チャレンジャーとしての喜び
と予想するのが妥当ではないか。つまり、トップを走っていた名和
が終盤に2人に追い付かれたのである。となれば、フィナーレは3
人の投球スタイルとメンタルが決め手。自力に勝り豊富な引き出し
から最適なボールの軌道を導き出せる松永、ストレート系の軌道を
高い再現性で繰り出せる名和、自力は劣るが正解が見つかれば無我
夢中でピンポイントにストレート系のボールを打ち込むスタイルの
櫻井眞。順当なら松永>名和>櫻井眞。名和はリードしている展開
や追い上げる展開は強いものの、混戦下り坂の展開では弱い。チャ
レンジャーに徹した櫻井眞の勢いの前に屈したのだ。その勢いは体
調不良というウィークポイントを抱えた松永をも凌駕して、見事な
決勝進出を果たしたのだった。なぜそこまで松永を過小評価し、櫻
井眞の勢いだけを買うのか?その最後の決め手、それは櫻井眞のシ
ーンで、待機観戦しているPリーガー達の表情にあった。櫻井眞の
投球直前には一斉に身を乗りだし、ストライクを決めた直後には驚
き混じりの笑顔でヤンヤの拍手。櫻井眞には神が宿っていたのだ!


力強い投球を支えきれない か細く弱々しい下半身
よろけて 苦笑いして 下を向いて
じめじめした気持ちで アプローチを戻る日々
それでも ぶれない 諦めない
やっと掴みかけた 輝く未来に繋がる投球フォームなんだから


櫻井眞 2.3
松永 2.4
名和 2.5