さすがに俺は何か尋常な事態じゃないと気付いた。
「そうだよアンタ、気付くのが遅かったな、俺は一人で死にたくないぜ」
ここは自殺の名所でもあるんですよ、一緒に死のう、と言ってリーマンの顔が崩れ落ちる。
俺はさすがに絶叫して、俺は急ブレーキを踏もうとしたが、
ブレーキがきかずハンドルもきかなくなってしまった。
俺は金縛りにされフロントガラスは別の幽霊に取り付かれ、そいつは目玉が飛び出てぶらぶらしている。
俺はオッサンの成仏を祈るように題目唱えだし、交通安全のお守りにもすがった。
オッサンは、血で溢れた口で死ねえ死ねえとモグモグ騒ぐ。
ちょっとの辛抱だすぐあの世に行くぜ、とサービスで無数の人魂を出しやがった。
オッサンマジで殺す気なのか勝手に動くアクセルはグングン踏み込まれスピードをました。
なかなかの逸品が良い手応えだ。俺はその一方アーメンアーメンとガンガン連呼してやった。
何も起こらず今度は死んだ俺のジイチャンの助けを求める。ジイチャンの霊がすーっと現れた。
オッサンも唐突な状況に吃驚したのかジイチャンにウォウォ!ヒイヒイ!謝るような声を出す。
人魂もいつの間にか消えやがった。
オッサンの姿が消えた途端俺は体の自由を取り戻し急ブレーキを踏んだ。
ほらジイチャン、何とか助かったぜ。生き延びた感激で泣き出した。
オオ、なんとジイチャンもダラダラ涙を漏らしてるじゃねえか。ジイチャンありがとう。
その後俺は気絶するように寝ちまって、俺が次の朝起きた時にはもう陽が高かった。
あのオッサンがあれで成仏したかどうかは分からん。