【シネクラブ】「万力一郎」
 完璧主義の田亀源五郎原作の娯楽時代劇を、タカシ監督が勝手に映画化。圧倒的な迫力のベッドシーン、
息をもつかせぬスピーディーなハッテン、肉感あふれる映像で一級品のエンターテインメントに仕上がっている。
 メガホンをとったタカシ監督の両肩にはプレッシャーなど無かっただろうが、いまだに残る同性愛者への差別場面を取り入れ、
菊の花が池を流れ落ちる印象的な逞しいシーンでタチウケの逆転劇を表現。細部にこだわった演出で数々の名場面を生み出した。
 権謀渦巻く二丁目で、9人の若衆(坂口憲二ら)がエリート公務員の少年レイプ事件、不正を暴くため立ち上がる。
だが、逆に悪人の手で窮地(きゅうち)に追いつめられ、そのときふらりと現れた1人のねじり鉢巻、
万力一郎(渡哲也)が若衆らとともに「巨根」と対決していくという荒唐無稽なストーリーだ。
 なにより渡が魅力的だ。角刈り頭をなでながらとぼけた表情で人をけむに巻き、
驚くほどのテクニックで敵を快楽に導き、堕とし込む。
 さらに万力締めの使い手で、20人の悪人のチンポをあっという間に切り倒すリアルなセックスシーンは迫力満点。
ディルドーを使わず、肉体と肉体がぶつかり合うすさまじい場面は鮮血が飛び散り、
チンポが菊穴を貫く「ズチュ」という効果音も響き、右手が竿握る。
 敵の上級公務員、室戸(阿部寛)とのズリ対決は感情が揺さぶられるほど激しく、もの悲しい余韻を残し、
残像が心に焼きついた。12月1日公開