私は四次元を夢の中で体験した。
その世界は、例えば何か間違ってしまったとき、少し前まで逆戻りしてから、
もう一度、今度は失敗しないように行動するという様な事が出来る。
その中で私には四次元を(言うなれば)見る器官があり、同じ空間の別の「結果」に立つ他人を感じる事が出来た。
二次元の世界で、三次元的にずれているのと同じだ。近かったり遠かったりするが、それを「知る」事が出来た。
そうでありながら、そういった「結果」にたどり着くためには一度戻り、何度も失敗を重ねなければ到達できなかった。
それに私には間違いなく寿命があり、私が生まれる前にも、それを超えた未来へと旅立つことも出来ない。
知識は膨大な数となり、脳の許容量の限界は結果的に「フリーパスの期限」の様なものだった。
生きようと思えば永久に生きられる。死のうと思えば簡単に死ねる。そこはある意味「時の牢獄」だ。
その壮大な閉塞感を持つ物語の終わりに、私は一人の老人に会った。老人は私に「唯一やり直せないのは死だけだ」と言うのだ。

希望とも絶望とも取れる言葉を最後に私は夢から覚めて、四次元を行き来していた、あの感覚も消えた。
今でも時折、またあの世界へと行ってみたいと思うが、他殺か自殺しかないあの世界に永久に留まりたいとは今は思っていない。