そしていま、人工脳研究の最前線でトップを切っているのは日本です。
日本が、世界で最初に本格的人工脳を作りあげるための「Jブレイン計画
」を立ち上げれば、日本は21世紀前半のナンバーワン国家になるでしょう。

量子テクノロジーの利用によって、極限まで電子の流れを少なくして電子1個
で情報1ビットを運ばせるといった技術も生まれつつあります。そういう技術
を利用すると近い将来、回路を3次元にしてそれをどんどん積み重ねていって
、考えられないような高密度のニューロコンピュータを作ることができるよう
になります。人間の脳は、1・4キロぐらいですが、10キロどころか、100キロ
とか、トン単位の巨大人工脳を作ることも可能になります。そうすると、
人間の脳よりニューロンの数がはるかに多い人工脳を作ることができるのです」

 人間の脳は大脳皮質だけだと140億、小脳など全部合わせてもニューロン数
1000億(10の11乗)程度といわれるが、数十年以内に10の30乗あるい
は10の40乗といった途方もないニューロンを持つ人工脳を作ることが可能
だという。10の40乗になると、世界中の人間の脳をすべて合わせたニュ
ーロン数より多いのはもちろん、人類発生以来これまでに生きた人類のすべ
ての脳を合わせ、これから何十億年かにわたって地球が死滅するまでこの地
上に生まれるであろうすべての人間の脳を合わせたよりニューロン数が多い
という計算になる。
立花隆、100億年の旅より