意識がないコンピューターには知性は生まれない。生物の脳は意識のフィードバックを利用して知的活動を可能にしている。
脳と意識は同一の物ではなく別個の現象であって、その二つがフィードバックループを起こして知的活動を行っている。
脳がある物を知覚し、それが意識にのぼり、その意識をさらに脳が参照して更なる行動を起こし、その行動を起こしたことが意識に上り、
それを前提に脳がさらに行動を取る、というループが行われている。意識は生物学的な実態に付随した現象であって、脳の機構以外からは生まれない。
おそらく2030年代頃に、脳のシミュレーションは壁にぶち当たるだろう。いくらやってもシミュレーションでは人間の知的反応を再現できないと。
心的現象は物的現象と違ってビット化できない現象なので、シミュレーションに組み込むことはできない。「技術的特異点」などと言うが、
コンピューターの機能はいつまで経っても、人間が設定したアルゴリズムをひたすら高速で繰り返すだけの存在になるだろう。それだけでも一応
興味深い成果は得られるだろうが。