人間シミュレーター
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0001オーバーテクナナシー
2008/06/23(月) 23:36:34ID:BQG76o5t「彼」は比較的作りやすい受精卵データを、生存条件を満たすように調整しながら赤ん坊(出生)まで育てたものである。
「彼」は出生に成功した瞬間にバックアップを取られた。何かの間違いで上手く育たなければ、赤ん坊からやり直すことができる。
赤ん坊は天井から伸びたチューブから母乳を得て育つ。排泄物データは不衛生なので手動でデリートしなくてはならない。
そうしてバックアップを取りながら、順調にこの少年を育てていく。
「彼」は幾多の失敗とリセットを経て、何とか20才まで生きることができた。
「彼」のデータはまず、医療データの採取に使用される。
「彼」に人権はない。解剖しようが薬物注射しようが何をしても自由である。「彼」の動く時間は加速することも容易だ。
そこで開発チームは、「彼」に新開発の薬の被験者になってもらうことにした。
幾多の犠牲とリセットの果てに、「彼」は現実世界ではかなり困難を伴うはずの、貴重な実験データを人間に提供した。
「彼」は続いて、まるで研究用のモルモットのごとく、様々な病気をその身に宿す。
そうして現実世界では失敗の許されない、心臓手術や脳手術、臓器移植といった様々な新手術の実験台となった。
「彼」は何度も何度も亡くなったが、その失敗は全て履歴データとして残され、現実世界の医者たちに貴重な先例として発表された。
「彼」の死体データを利用した解剖実習の動画は、研修医たちの知識の拡張に大いに活用される。
こうして、現実世界の医療は今までとは比較にならない発展を遂げることができたのであった。
続く
0002オーバーテクナナシー
2008/06/23(月) 23:50:08ID:BQG76o5t「彼」は医学の発展に大いに貢献したが、それだけでは活用法として不十分だと考えられた。
そこで開発者たちは、「彼」を一個の人間として、社会の役に立つ形で貢献させようと考えるに至る。
「彼」は数学・物理・語学と様々な英才教育を受け、人間で言えば秀才レベルの学生となる。
その成長速度は現実世界の数倍、数十倍、あるいは数百倍か……?コンピュータの速度に比例して敷居はどんどん広くなる。
ここで開発者たちは、何通りにも成長させた「彼」の中から最適なデータを選んで、エンジニアとした。
「彼」は勤勉に働き、現実世界の人間のために面倒な計算や研究開発を代行し、貴重な研究成果を数多くもたらした。
技術の発展はまさに加速度的であった。「彼」を高速で動作させる技術の開発を、「彼」自身が行うのだ。
高速化した人間シミュレーターは、現実世界の人間が一生をかけて行う研究を、わずか数年で成し遂げてくれる。
現実世界の人間は「彼」のおかげで膨大な恩恵を預かるに至った。
「彼」の活躍する分野はエンジニアに限らず、音楽家・小説家、果ては実業家になる者も現れた。
我々はもはや、「彼」なくして生きる術を持たなくなっていったのである。
0003オーバーテクナナシー
2008/06/24(火) 00:02:14ID:aFUSbF8d「彼」がコンピューターの中のヒーローとなり、人間社会において大きな尊敬を得るようになると、
これを現実世界に還元しようという試みが当然のごとく現れた。
かといって本物の人間に移植するというわけにはいかない。「彼」はロボットに移植されることになった。
「彼」は当初こそ、ケーブルの繋がっている範囲でしか動けなかったので、できのいい人工知能のように
会話とコミュニケーションを取る存在として活用された。
しかし技術の発展により処理の効率化が進むと、「彼」は完全に一個の独立した個体として、人間社会で暮らすようになる。
「彼」は人間と共に働き、人間と平和に暮らしてゆけるのか?
それとも、欲望を持つ人間の性質を持つがゆえに、人に先んじて人を支配せんと企むのか?
ただ1つ確実なことは、「彼ら」が後に、地球の外に出て移住することに成功したことである。
「彼ら」は現実の人間のように重力環境下でしか生きられないということはなく、電力さえ確保できれば非常に多彩な環境で
ヒトとして暮らすことができたのである。
我々人間は、しょせん地球の奴隷でしかなかったということか……。
0004オーバーテクナナシー
2008/06/24(火) 00:08:34ID:vf5UVXPq死ね
0005オーバーテクナナシー
2008/06/24(火) 23:32:04ID:4fCGtKxz/'゙´,_/'″ . `\
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0006オーバーテクナナシー
2008/06/25(水) 08:45:36ID:PmVUS6Sc■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています