森林保護が進み,紙の供給が激減。ダンボールも高嶺の花。
ダンボールに取って代わった未来の素材,それは,ビニール傘。
傘の盗難が急増する中,傘ハウスが公園に点在するようになる。

そんな中に,凄腕の元建築家がいた。
彼は5年の歳月をかけ,ビニール傘で直径5メートル,高さ3メートル,
台風にもびくともしないドーム型傘構造物,通称「傘ドーム」を完成させる。
その機能性,芸術性の高さは,テレビや雑誌でも取り上げられた。
だが,無残にも数日後には当局に撤去されてしまう。
また,名も無いホームレスに戻るかに見えた彼。
しかし,そんな彼に熱烈なラブコールを送る,とある組織があった。

数年後,傘ドームは宇宙に浮いていた。
傘状のユニットを展開し組み合わせるだけで,巨大な構造物が建築可能なその技術は,
宇宙ステーションの建造に最適だった。
実験的ステーションには,彼の要望により,多数のホームレスが被験者として居住していた。

というわけで,未来のダンボールハウスは宇宙ステーションです。