日経2004/5/10朝刊1面

住友電工 超電導の電線量産
 国内電線最大手の住友電気工業は世界各国が実用化を競っている「高温超電導技術」を
初めて事業化する。従来の電線の百三十倍の送電能力を持つ超電導線の量産化に成功、
製造設備も整えた。電力自由化で需要が見込める大容量の送電線や、新幹線や船舶に
使う変圧器の軽量化などに広い用途が見込める。コストが安く、扱いも容易な高温超電導
材料の実用化に道が開けたことで、超電導市場が一気に拡大する可能性が出てきた。

 住友電工は今回、鉛や亜鉛の副産物として生産されるビスマスや銅を使った高温超電導
材料で、一度に一千メートルまでの長さの超電導線を商用生産できる技術を確立、
大阪製作所(大阪市此花区)内に量産設備を整えた。従来は、実験段階でも二百メートルが
限界だった。

 今夏にも生産開始する。価格は同じ容量の銅製電線の二―五倍に当たる一メートル当たり
数千円に抑え、市場競争力を持たせる。まず年十億円程度の売り上げを確保する。