100%否定は出来ないということを断った上で書くとだな、催眠は
それほど万能なものではないよ。むしろ催眠中は暗示の通り幻覚が
起こるから、あまり当てに出来ないともいえる。

たとえば盲目の人が前世帰りで月を見たとする実験でも、その人は
実際に見たことがなくても、伝聞で月は明るく丸いものであるという
ことは分かっているんだよ。そうなると前世に戻って目が見える
あなたは月を見ることが出来ますよ、と暗示されれば、幻覚として
被験者には実際に見えるようになる。脳の中のイメージが第三者に
分かるように表示できる機械でもない限りこれは前世帰りの成功例と
しては証明のしようがない。仮にその機械があったとして、伝聞では
わかりっこない、望遠鏡で覗いたと言う仮定でクレーターの位置関係や
大きさ、色などを言わせて的中したら話は別だが。

また前世の記憶に関しても、普段意識に上らない記憶から適当なものを
無意識に引っ張ってきて構成してしまう可能性もある。たとえば歴史の
本や博物館で見た写真の記憶と言うのは人ぞれぞれ、質や量に差はあれど、
ある程度歳をいっていれば何かしらは見たことがあるはず。そういう記憶が
出てきて、構成してしまい被験者自信が思い込んでしまうということもある。
昔テレビでやった実験に、自分の前世は飛脚だったというのがあった。
で、細かいことを色々聞いてみると、本当にその場にいた本人でなければ
分からないような細かいことまで言うのだが、後々調べてみたら江戸
風物詩の絵巻に書かれている状況そっくりだったというオチがある。

催眠下ではウソはつけない、だから言うことはすべて真実だと結び
つけるのはいささか短絡過ぎる。ウソをつこうと思ってつくことは
出来ないが、暗示に反応して無意識が作り出す幻影を語らないという
保証はない。