皮膚の外傷の治療に関しては、未だに出鱈目がまかり通っている。
生体が持つ治癒機能について、正しく学ぶ機会を持てないまま、
医療に従事している人間が多すぎるように感じる。

先日も、こんなやり取りがあった。

(私)「その子の擦過傷、もう洗浄は済ませてきたから、絶対に消毒だけはしないようにね」
(新任某組織専属医)「は? なら、どうしろって言うんですか」
(私)「皮膚が損傷したら、治療に必要な体液が自然に出てくるよね」
(医)「なんすかそれ? 変なこと言わないでくださいよ。
    この手をどけてください。ほら、治療の邪魔をしないで。
    ここは私の仕事場です」
(私)「治療に必要な体液が自然に傷口から分泌されてきているのだから、
    それを有効に利用した処置を施すようにアドバイスしているのだが、
    もしかして、その歳になるまで、擦過傷の治療をした経験がないのかい?」
(医)「この程度の傷、消毒してガーゼで覆えば終わりでしょう。
    さっきからお話の体液って、それなんですか。
(私)「ほら、洗浄したあと、傷口に浮いてきているこの黄色い液体、
    これが傷を修復するのだから、この段階で消毒なんかしてはナンセンスだろう。
    患部に向って唾を飛ばして雑菌を散布してないで、はやく傷口をラッピングしなさい」
(医)「この液体、なんなんですか? どうしてこんな液体が体から出てきてるんですか。
    アロエの汁でも塗ったんですか」
(私)「君、本当に医師の国家試験、合格しているんだろうね。
    擦過傷を治療するための基礎知識も持っていないようでは、使い物にならないな」
(医)「それって、新人いびりですか。こんなもの、知るわけないでしょう」

無知にもホドがある。