赤ちゃんを拾いました
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0021オーバーテクナナシー
03/02/02 02:26ID:bUA9BBw+突然の巨大な轟音で私共々船内のクルー達が目を覚ました。
レーダー網に感知される事無く、非常事態警報を鳴らす間も無く
この宇宙船に接近出来る物など一つしか考えられない。
宇宙怪獣だ。
奴等は我々地球人の様な感情も知性も無い醜い姿の生き物だが、
宇宙空間を恐るべきスピードで飛び回り、
その表皮はあらゆるレーダー波を吸収して
決して獲物に接近を知らせずに襲い掛かるのだ。
もうこうなった以上、この船は、この船に乗った全員は終わりだ。
だが私にはまだ仕事がある。船内医師という職務と共に預かった仕事が。
コールドスリープ装置を開くと赤ん坊が姿を現わす。
何百年もの人の幸福とはかけ離れた人生を歩んで来た
この子の最期を宇宙怪獣の餌などとして終わらせる訳にはいかない。
私は赤ん坊を抱えて脱出ポッド発射室に飛び込むとポッドに赤ん坊を乗せ、
コンピューターに射出軌道データを入力した。
出来れば私自身が脱出したいが近くには着陸出来る様な惑星はない。
せめて赤ん坊には別の最期を与えてやらなくては。
射出されたポッドは燃え盛る恒星に真っすぐ向かってみるみる小さくなっていった。
じきに船内に伸びた宇宙怪獣の伸ばした触手が私を捕らえるだろう。
その前に漏れだした酸素が尽きて私が死ぬ方が早いかも知れんが。
これで航海日誌を終える。
何百年後かに宇宙に漂っているだろうこの日誌を誰かが拾って読んでくれる事をかすかに期待して。
今恒星の近くでポッドが爆発したのが見えた。さらばわが子よ。
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