「ごめん」
のび太はそろそろと上体を上げた。下にいたしずかはのび太を跳ね除けると
そのままバスルームに消えた。
 太陽が真上から照りつける。ホテルから出たのび太としずかは目を細めた。
のび太は自動販売機へ歩いていった。指がポカリとジンジャーエールの間を
行ったり来たりしていたがしばらくするとガチャンとジュースが落ちてきた。
のび太が振り返ると遠くでしずかが柱に寄りかかっていた。しずかは手持ち
のバックをガサガサさせるとヒョイッと携帯を耳に当てていた。
 のび太は空き缶をくずかごに入れた。しばらくすると、男がひょこひょこ
歩いてきた。男は柱の方へ歩いていくとしずかのふとももへ顔をうずめてし
まった。しずかは一瞬顔をしかめたが、また視線は空へもどっていってしま
った。のび太はしずかの視線を追って空を見た。空には入道雲が大きく横たわっていた。


ドラえもん


   の び 太 と 空 虚 な 空