死者のことを想うのは遍く生者なのよ
死んだ者が無念を訴えるわけじゃない
生きてる者が無念だったろうなあと思うわけなの

人間は魂があるから生きてるんじゃなくて
脳があって魂と体を連結して、動かしているから生きているのよ
だから脳が活動できなくなれば人としては死ぬの
死者はもう脳が無いから思考することは無い―つまり意志と言うものは失われるのね
だから幽霊が憎いとか愛しいとか考えることは無いのよ
これは最初に言ったようにそれを体験した側、生者が勝手に造ったイメエジなのよ

じゃあ脳が肉体と繋げていた魂は何処行ったのよ?
それは肉体に留まっているのね。肉体と魂は不可分なのよ
魂と云うのは肉体が持っている記憶のことなのね
死体はいつか形を失って自然界へ還るけれど、その時に記憶(魂)も自然に還るのよ
記憶(魂)と云うのは生き物の体だけじゃなくて、此の世に在るモノ全てに宿っているの
たとえばそこらの石ころにだって昨日の記憶もあれば百年前の記憶もあるわけでしょう
つまり山川草木、人にも動物にもすべてに魂が宿っている、見方を変えればまさに死後の世界なのよ
あの世と云うのはこの世のもう一つの側面で、生者はたまにそれを覗き見ることがあるのよ
そしてそれを自分の尺度で測ろうとする、それがいわゆる「不思議な体験」なのよ